下馬の家

世田谷区下馬の小さな敷地に建つ住宅である。よい立地であるが、それゆえ、面積も限られてしまうのはいたしかたない。

間口はちょうど2間。最低限必要な諸室をのぞいて、極力ゆるやかにつながった空間となるように考えている。といっても、何もしないでガランとすればよい訳ではない。

大切にしたのは、適正な寸法で居場所のきっかけをあたえることだ。奥行きを浅めに設定した壁面収納。ちょうどテーブルがまとまるような天井の高低差と間仕切り壁。吹抜けに連続した大きすぎない上階とのつながり。開口の先に連続するバルコニと、その先にある直接は見えることのない外部。

こうしたちょっとしたきっかけの集合が、さまざまな暮らしのシーンでちょっとした心地よさをうんでくれていると、考えたのである。


下馬の家

用途:個人住宅
所在:東京都世田谷区下馬
竣工:2013年12月
構造:木造
階数:地上2階

敷地面積:62.52m²
建築面積:36.44m²
延床面積:64.07m²
設計:佐久間徹設計事務所
施工:株式会社セレクト

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