武蔵野市医師会館
武蔵野市の中心部に位置する、武蔵野市医師会の活動拠点である。各種健診事業や地域医療を支える公益事業の拠点として利用されるほか、日曜日に休日診療所として一部が利用されるなど、地域医療を支える役割を担っている。さらに、災害や感染症の流行など非常時には、地域医療を支える重要な機能を担う施設として計画された。
建物は周辺への圧迫感に配慮し、平屋を主体に一部を2階建てとした高さを抑えた構成としている。外部への開口はプライバシーや施設の特性に配慮して必要最小限とし、前面道路側には植栽を施した前庭を設けることで、街との適度な距離感をつくり出している。
外壁には天然木の型枠によるコンクリート打放し仕上げを採用した。二つのコンクリートの塊の間を建物への導入部と見立て、エントランスホールを配置している。また、平屋部分の深い軒は日射をコントロールするとともに、雨の日には傘を整えるゆとりある半屋外空間を生み出している。堅牢なコンクリートの建築でありながら、木目の表情や植栽、深い軒によって柔らかな印象を与え、街並みに静かに溶け込む佇まいを目指した。
市民が日常的に訪れる施設ではない。しかし、地域医療を支える基盤として、平時にも非常時にも地域に寄り添い、安心を支える存在となることを目指した。
武蔵野市医師会館
用途:事務所 兼 診療所
所在:東京都武蔵野市中町
竣工:2026年5月
構造:鉄筋コンクリート造
階数:地上2階
敷地面積:654.83㎡
建築面積:336.89㎡
延床面積:468.08㎡
設計:佐久間徹設計事務所
構造設計:ANDO Imagineering Group
施工:白石建設
撮影:西川公朗