東京 奥多摩温泉 おくたま路 客室

「東京 奥多摩温泉 おくたま路」の客室は全25室。すべての部屋が川に面し、それぞれに東京の山々の名前がつけられている。畳敷き、ベッド、露天風呂付き、サウナ付きなど、いくつかのタイプが用意されている。既存の良さを残した部屋もあれば、建物の使われ方そのものを変えて新装した部屋もある。なかでも「雲取」と「高尾」の2室は、旧広間を改修した露天風呂付きのスイートルーム。2階建ての切妻屋根の下、既存の天井を取り払い、屋根型に吹き抜けた大きな空間とした。ひのきの天然木や自然石、障子などを使いながら、ゆったりと自然を楽しめる場所となっている。
「雲取」は、大きなインナーテラスに露天風呂を設けた開放的な部屋。洗面、シャワー、サウナ、露天風呂、外気浴までの流れをひとつながりにした。サウナもリバービューだ! 障子を開けば、川と緑が目の前に広がる。ベッドは小上がりとして、寝転んだままでも窓の先の景色が楽しめる高さにしている。
「高尾」は、もう少しプライバシーに配慮しながら、景色の側に露天風呂を配置した。居室はベッドルーム、リビング、和室が連続する、ひとつの大きな空間。過ごし方を限定せず、それぞれが好きな場所を見つけられる。


スーペリアルームは、別用途だったスペースを客室に転用した新装の部屋だ。川側のRC壁を取り払い、大きなサッシを組み込んでいる。ガラス一枚を通して見る川と緑は、本当にすぐそこだ。窓辺は畳敷きとして、座ったり寝転んだり、必要に応じて布団を敷くこともできる。水まわりはコンパクトにまとめ、大浴場や館内を楽しんでもらう客室とした。
スタンダードルームは、既存の和室を活かして改修した部屋を中心に、和洋室、3ベッド、バリアフリーなど、さまざまなタイプがある。面白いのは、一室一室をよく見ると設えが少しずつ違うこと。竿縁天井や船底天井、障子の組子、欄間、床の間。当時の大工さんが丁寧につくったものは、できる限りそのまま残した。昔のものづくりの「粋」が、あちこちに残っている。改修する側は、部屋ごとに考えるのが大変なのだけれど。笑
客室だけで完結するのではなく、窓の外の自然、大浴場、レストラン、ラウンジへと時間がつながっていく。館全体を行き来しながら、おくたまの時間を楽しんでもらいたい。


東京 奥多摩温泉 おくたま路 客室

用途:旅館
所在:青梅市二俣尾
竣工:2026年7月
構造:鉄筋コンクリート造
階数:地上3階
建築面積:1764.03m²
敷地面積:14958.53m²
延床面積:3082.34m²

事業主:国際ホテル株式会社
アートディレクション:マウント
設計:佐久間徹設計事務所
施工:佐久間建設・三和エステート
撮影:西川公朗
アクセス:JR青梅線「石神前駅」より徒歩約10分
公式サイト:https://www.tokyo-okutamaji.jp/

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