大正通りの料理店

吉祥寺、東急裏に位置した大正通り沿いの老舗料理店の建て替えの計画である。近年、人気のエリアになっており、その土地の価値を最大限活かした複合的な計画が求められた。1階には収益性の高い貸店舗。2階に隠れ家的な料理店、3階に住宅、を配置した3階建ての構成である。

両側には隣地建物がせまり、正面の通りはコニュニティバスの路線にあるため、工事は容易ではない。コストと施工性の両面から判断して、木造を採用している。商業ビルではあるが、昨今の工事費を考えると、木造が十分に相応しい。

1階の貸店舗には、有名な鞄店が入ってくださった。外装をそのまま活かしてサインを設置していただいているのが、建物全体に馴染んでいる。


2階の料理店は、カウンター席を基本とした親身な空間である。厨房と客席のレベル差は、店主と客の目線の関係を考慮して決定した。客席側の寸法、カウンターや厨房内の寸法も熟考されたものである。建材は、提供される料理の内容の割には、質素な材料でしつらえられている。上質な時間を過ごす場所であるが、気楽に、親密な雰囲気を大切にされる店主のバランス感覚がよい。

先日、食事をいただきに伺った。看板も小さく、いまだにwebでも紹介されていない。が、日々繁盛されているのはなぜ?昔からの常連さんと、そのご紹介、関係者つての口コミだけのようである。良いお客さんしか来ないので、お店の雰囲気がよくなる。料理も雰囲気もよければ、また来たくなる。シンプルだけど一番理想的な商売の方法のようだ。うらやましい、ぜひ見習いたいと思う。

結局、十分に楽しませていただき、上機嫌に帰路へ着くのだった。またうかがいます!ご興味のあるかた、こっそりとお声がけください。

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