深大寺の家/縷縷 LuLu

深大寺の落ち着いた住宅街に建つ、姉妹とその家族が住まう2世帯住宅である。趣味のバイクガレージと、一部、ショップ(ショウルーム)も併設されている。親子での2世帯はよくある組み合わせだが、姉妹とその家族というのは珍しい。複数の他人がいるなかで、土地の購入から、よくぞここまで漕ぎ着けた!大人が4人もいれば、個人個人の価値観は異なるに決まっている。それぞれが譲り合って、思いやって、実現したプロジェクトである。

さて、2世帯のスペースをどのように分けるか。音の関係は、特に上下階において問題になるので、同じ世帯同士のほうが気にならない。それから、採光や小屋裏の利用の仕方についても、それぞれの必要に応じた状況を見出す。結果、2階建てを横並びにL型に配置した構成となった。


妹さん世帯は、子育てをしながらも、丁寧に暮らすことができるような住宅を目指している。クロークやウォークインクローゼットを大きめに確保。キッチンは、テーブルと連続するアイランドのタイプとしているが、背面の収納は、引き戸の開閉により全部を隠すことができる(見せることができる)。居間は、ダイニングから小上がりとして、カーペット仕上げとした。結局、床で遊ぶし、ゴロゴロするだろうからという意図である。出窓にはソファベンチの機能を持たせ、ここが主人のリラックスコーナーとした。が、こういった居場所は子供にとっても心地よいので、占領されているのではないか。

姉さん世帯は、夫婦それぞれが自分のスペースを持つ、大人のための住宅である。バイクが趣味(もしくは仕事では?笑)の夫はバイクガレージを確保した。木質の空間を活かした男の隠れ家である。妻は、道路に面して、縷縷LuLuというショップを開いている。「作家や職人の丁寧な手仕事による竹細工、木工品、漆器をはじめ、デザイン性、機能性に優れた品々を選りすぐってご紹介しています」とあるように、暮らしに関係するものを扱っているので、自宅スペースも、その世界観の延長で設えられている。なかなか勇気がいることだが、水廻りもキッチンも、床はカーペット敷き!本当に、丁寧に暮らそう、という意思がなければおすすめできないところ、住みこなしているようだ。


深大寺の家/縷縷 LuLu

用途:長屋

竣工:2018年1月

構造:木造

階数:地上2階

敷地面積:155.23㎡

建築面積:61.58㎡

延床面積:123.16㎡

設計:佐久間徹設計事務所

施工:匠陽

撮影:石井雅義

*長屋2戸

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