多磨町の家

府中市多磨町、落ち着いた住宅街の東南角地にあり、若いご夫婦と子供4人の計6人が暮らすための住宅である。
それほど大きくない敷地で大勢が健やかに暮らすために、角地のために加算される建ぺい率のゆとりをどう活かすか、みんなで過ごす場所と個室とをどうバランスするか、この2点が大きな課題となった。

はじめのうち「庭は必要ない(というより、あきらめている)」ということを伺った。確かに、車をとめてバイクや人数分の駐輪スペースを確保することを考えると余裕は無かったが、そこはなんとかしたい。そうして、8畳でもいいからと考えはじめた東南角の「庭」が、大きな開口を開けることの出来る引きをうみだし、結果的に今回の計画の中心に座った。出て過ごすこともあるとは思うが、むしろ内部からの広がりとして効いてくると捉えたものである。


あとは、個室を極力小さくして計画していくのだが、各々のプライバシーも確保できるような動線にとの要望に、苦戦する。それでも、みんなで過ごす場所を優先して考え、吹抜けを捻出することもできた。 完成してみると、実に、大らかに暮らされている。今のところ、成功だ。これから、お子さん方が大きくなっていくに従って、どのようになっていくのか楽しみである。


多磨町の家

用途:個人住宅
所在:東京都府中市
竣工:2014年3月
構造:木造
階数:地上2階

敷地面積:99.18m²
建築面積:43.46m²
延床面積:79.14m²
設計:佐久間徹設計事務所
施工:名取工務店

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