目黒の集合住宅

目黒駅からほど近く、閑静な住宅街、間口が狭く奥に長い敷地に建つ集合住宅である。難しい条件をクリアするために、北側に敷地内通路（窓先空地）を設け、エントランスを二つに分け動線を整理することで、合計17戸の住戸が納まっている。

周辺の緑がよい。さらに敷地内にできる通路も緑を配置した。それらと程よい関係をつくるように、四角い平面に三角に切り込みを入れ「庭」を設け、その「庭」に対して開口部を設けている。図面上は少しややこしいことになったが、各住戸に複数の窓が用意でき、バリエーションに富んだ部屋が展開される。

都市部の小さな集合住宅の場合、どうしても道路向きに部屋が配置されることが多いなか、今回は「庭」に対して関係をつくることができた。それだけのことだが、そこで過ごす時間は、少し穏やかな空気が流れているように感じるものだ。