吉祥寺南町の家

吉祥寺駅からほど近く、閑静な住宅街に建つ住宅である。周辺に配慮し高さを抑えつつ必要なスペースを確保するために、地下1階地上2階の構成としている。

周辺に対しては、基本的にはプライバシーを確保するために、外壁に対する開口部を制限し、塀やシャッターで閉じた内部環境をつくりだしている。ただ一方で、道路側には一部空地を解放し、高さを抑えた塀や建物の先には大きな空が臨めるようにして、ゆったりとした表情をもたせている。吉祥寺の街の「力は抜けているが気品がある」部分を表現したいと考えた。

 


平面的には、長方形と45度振れた正方形を組み合わせた形状をしている。この45度振れた正方形に対して、残った三角の余白が2つの庭となる。東の庭は1階から出ることを想定した庭。西の庭は地階のドライエリアとなり、上階には樹木がのびている。内部の角になる部分は吹き抜け。この2つの庭を通して、東から西へとまわる陽の光を内部に届ける。

各階は内部でつながりながら、それぞれ特徴をもった居場所となっている。地階は、コンクリート打ち放し、グレーの塗装、銀箔貼り、といった無機質な素材で構成。1階はウォールナットや石材、柔らかい表情となる布クロスなどを用いてラグジュアリーな雰囲気をもたせ、2階は天井の高さを活かして、軽くてのびのびとした空間とした。

やや大きな規模の住宅ではあるが、それぞれ必要なスペースに対して、丁寧に設えていくプロセスは小さな住宅と同じである。むしろ、強いルールをつくってしまわないように気をつけていくことで、きめの細かい設計ができたと思う。


吉祥寺南町の家

■吉祥寺南町の家

きちじょうじみなみちょうのいえ

所在:武蔵野市吉祥寺

用途:個人住宅

竣工:2017年6月

構造:RC造・一部木造

階数:地上2階・地下1階

設計:佐久間徹設計事務所

構造:筬島建築構造設計事務所

施工:横沢建設

撮影:見学友宙

*長屋(三世帯長屋)

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