赤坂の事務所ビル
港区、六本木通りと外堀通りの交差点(溜池)の角地にある70㎡ 弱の敷地に建つ、10階建ての事務所ビルである。
狭小であるが、一等地、それも角地である。テナントビルとしての収益性を最大限に発揮しながら、街に対しての表情をつくり出すことが求められた。
まずは三角形の不整形な敷地。次に溜池というだけあり、軟弱な地盤。10階建てといえば、そこまで難解ではないように思えるが、敷地が小さいため、プロポーションとしては超高層に近い。そこで、杭と地盤アンカーを地中深くまでうちこみ、さらに地階をコンクリートの重りのように捉え構造を成立させた。
平面計画はシンプルである。EVや階段、設備コアをまとめ、残りをテナントスペースとしている。建物形状は、三角形の敷地形状に逆らわず、角をとがらせた。さらに、開口と壁をはっきりと区別することで、外観の印象を決定している。
驚くほどコンパクトでありながら、大きな建築ができた。
赤坂の事務所ビル
用途:事務所・店舗
所在:港区赤坂一丁目
竣工:2011年4月
構造:鉄骨造
階数:地上10階
敷地面積:67.48m²
建築面積:55.83m²
延床面積:451.75m²
設計:佐久間徹設計事務所
施工:久保工業
撮影:吉村昌也