鶴見梶山町の家

横浜市鶴見区梶山の高台に建つ、築28年のコンクリート造の住宅の改修計画である。ゆったりとした緑豊かな庭がある敷地に2階建ての建物が建つ。

計画にあたり、まずは構造についての検討が必要であった。コンクリートの躯体壁を動かさなければ大きな計画の変更はできないのだが、壁を動かすことは明らかに合理的ではない。このことが計画上の大きな縛りとなった。

そこで、コンクリートの躯体壁の配置を活かしながら、そのどっしりとした存在感を引き立たせることを基本とし、躯体壁に最小限の足し算をすることで空間を変えていくことを目標とした。具体的には、変更可能な木の下地の部分や建具の部分を変更していくこと、床のレベルや仕上げ素材の使い方、必要に応じて壁を追加していくこと、といった作業である。

それらの工夫を積み重ねることにより、結果的には何通りもの回遊性があり、さまざまな質の場所が連続するゆったりとした空間を生み出すことができた。

屋上へは屋外に螺旋階段を新設することによってアプローチ出来るようにした。同時にこの階段を2階のバルコニーとつなげることにより、縦方向への回遊性も生まれる。そして屋上は360度景色の楽しめる気持ちのよい居場所となった。

さまざまな小さな工夫の積み重ねと大胆に取り入れた新規部分の組み合わせにより、新しい家に蘇った。


鶴見梶山町の家

用途:個人住宅
所在:横浜市鶴見区梶山
竣工:2007年12月
構造:壁式プレキャスト軽量気泡コンクリート造
階数:地上2階

敷地面積:221.02m²
建築面積:59.86m²
延床面積:115.93m²
設計:佐久間徹設計事務所
撮影:吉村昌也

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