森下の集合住宅
森下駅からほど近く、都市部での交通が良い。細長い形状ではあるが、前面にゆったりとした道路、背面に細めの道路に面した、2面接道の敷地である。前面に1戸、背面に2戸の住戸を配置して、ワンフロア3戸の基準階によってされている。階高は、構造上許される範囲で高くして、天井高は高く全戸にロフトをもうけている。貸し出しの面積としてはカウントされないが、他にない売りとなるし、住まい勝手は抜群に向上する。
おそらく、我々が設計してきた集合住宅の中でも、もっとも分かりやすい「デザイナーズマンション」である。コンクリートとガラス中心の立面、3メートル以上の天井高、住環境のスペックとしてはいささかオーバーではあるが、多様な暮らしのうちの1つとしては、面白みがあると考えた。ちなみにガラス張りの住戸は、戸数でいうと全体の3分の一ほどである。
インテリアは、コンクリート、ガラス、木、のバランスを考え、メンテナンス性が担保された範囲で、「カッコイイ」印象をもたせた。エントランスには少しずつ仕上げの質を違えた天然石の重ね上げた壁を配置して、内部が一望できないように動線を工夫している。同じ材料でも色が違って見えるのはこの仕上げの質のためだ。緑も、わずかではあるが配置することで、柔らかさを演出している。
森下の集合住宅
用途:集合住宅
所在:江東区森下
竣工:2019年12月
構造:鉄筋コンクリート造
階数:地上5階
敷地面積:66.02㎡
建築面積:45.36㎡
延床面積:194.98㎡
設計:佐久間徹設計事務所
構造:筬島建築構造設計事務所
施工:春日建設
撮影:長谷川健太