グランスクエア大口

横浜駅・新横浜駅から2駅、JR大口駅のロータリーに面した敷地に立つ複合施設である。駅前なので商業施設としてのニーズが見込まれるのは当然だし、駅近のマンションとしての価値も高い。駅に降りた人にとっては最初に見る風景にもなるので「まち」にとっての存在としても考える必要があった。
1階2階の商業フロアは敷地形状に合わせ平面的に大きなヴォリームとしている。その正面は基本的にガラス面で構成し、そのガラスは天然木の柱材で挟むように納めている。その並んだ柱のピッチは合理的な寸法である1間幅を基準としている。天然木の素材とその身体感覚に近いスケールが、街や人にフレンドリーな印象を与えてくれる。3から6階の住居フロアは少し小さなヴォリュームとしている。実はこれが低層部のフレンドリーな印象づけに影響していてる。道ゆく人にとって、建物を認識するのって1階2階くらいだから、いったん2階で建物が終わっていると高層な印象が和らぎ、人に近いスケールになるのである。まあ、大きな部分を極力シンプルにして力学上もコスト上も合理的にしたいというのも本音ではあるが。


住居フロアは中廊下型の両面に、それぞれバルコニーのあるゆったりめの住戸を用意した。レジデンス専用のエントランスからエレベーターホール、中廊下にいたるまで、正面で使用している天然木を配置している。
街が明るくなったね!と地元の方からもコメントをいただいた。日々目にするまちの風景に、少し貢献できたことが嬉しい。


グランスクエア大口

用途:店舗+集合住宅
所在:神奈川県横浜市入江
竣工:2025年3月
構造:鉄筋コンクリート造
階数:地上6階
敷地面積:768.48㎡
建築面積:584.25㎡
延床面積:2530.01㎡

設計:佐久間徹設計事務所
施工:株式会社 三木組
撮影:宮崎富嗣成

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