浜田山の家

閑静な住宅街に建つ、木造2階建ての住宅である。ほどほどに守られた感じをもつ、ゆったりとした大きな空間のある家を目指した。

外観は、左右対称な切妻屋根を正面とした、わかりやすい「家」のかたちをしている。少しだが、軒を出している。軒裏は、屋根の一部と捉え、建物本体にのっているように表現することが多いが、今回は外壁とあわせて白とした(屋根を「板」のように捉えることが多く)。街ではよく見かけるけど、我々としては珍しいかもしれない。余計な要素をなくして抽象的な造形にしたいところあるが、家としてわかりやすく在りたいような、微妙なさじ加減が、この家の特徴となった。


さて、内部のことである。1階に個室や水まわりを配置し、2階は、この屋根なりの天井とした大きな空間となるように考えた。切妻型の天井(実際は先の方をまるめている)の下には壁や柱がないようにしたい。そこで、登り梁と鉄の棒により三角形をつくり、その三角形が構造として効くように考えている。大雑把にいうと、一体となった丈夫な切妻屋根が外周の壁に乗っかっている状態である(この説明でわかりやすくなったのか?)。そのため、ホールというのは大げさであるが、木造住宅のスケールをやや逸脱した大きな空間ができた。

居場所には必要十分なサイズがあるように思っている(当然、その敷地や要件、建主のスケール感などによる)。そして、設計はその指針と図面を行き来しながら進めていくのだが、この家はやや大きい。決して大きな建物ではないが、居場所としては、やや持て余す。でもこのやや持て余した部分に、住まい方への自由度が残っているようにも思えた。


浜田山の家

用途:個人住宅

竣工:2017年10月

構造:木造

階数:地上2階

敷地面積:115.15㎡

建築面積:48.34㎡

延床面積:92.32㎡

設計:佐久間徹設計事務所

構造:筬島建築構造設計事務所

施工:匠陽

撮影:石井雅義

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